生死を揺れながら飛ぶ零戦 「永遠の0」

感動小説

『永遠の0』 百田尚樹

📁感動小説 【私の評価】★★★★★(98点)

よい作品とは、時代が移ろいゆく中でも、色褪せない感動をもたらしてくれるもの。

この作品がまさにそうです。

2009年に文庫化された作品で、久しぶりに読み直してみましたが、初めて読んだ時と同じく、いや、それ以上に感動してしまいました。。

この、色褪せない感動は、どこからくるのだろう。

それは、描いているテーマが、もの凄いからということだと思います。

戦争、生死、仲間、特攻隊、生き様と死に際。

本作品は、太平洋戦争時、生きて帰りたいと強く願う日本海軍の青年パイロットについて、なぜそんなにも生に執着したのか、そして、最終的には特攻隊員として殉職するまでの青年の生き様を、当時の様々な人の証言を聞く中で、明らかにしていく物語です。

少しミステリー要素も入っていて、徐々に、青年の心情に迫っていき、人物像が明らかになっていくさまがとても面白いです。

また、構成も見事で、最後の最後に、青年がアメリカ空母に特攻していくシーンを持ってきています。

そして、なによりも、生きるとは何かということを、読者の胸に正面から突き付けてくるのです。

「お前はこれを読んでどう思うんだ!」と、作者から問われているような気がします。

戦争を知らない世代はなおさら、読んで、衝撃を受けること間違いなしです。

タイトルとURLをコピーしました