追われる背中 第47回小説推理新人賞 あらすじと感想

ミステリー小説

📁ミステリー小説 【私の評価】★★★★☆(83点)

『追われる背中』中島青馬

あらすじ

県警察の柔道大会。

シニアの部の決勝戦。

宮川と須藤の対戦。

二人は同期です。

そこで事件が起こります。

宮川が、須藤の腕を意図的に骨折させたのです。

なぜそんなことをしたのか。

同じく二人と同期の主人公が、監察官という立場から、理由に迫っていく物語となっています。

この作品の魅力について

大きく三つ上げられると思います。

一つ目は、警察小説には珍しく、不正を行ったり、事件を起こした警察官を取り調べる監察官を主人公にしている点です。

二つ目は、文体が固くて、事実関係をしっかり押さえていくような硬派な書き方が、警察小説にしっくりなじんでいる点です。

三つめは、「追われる背中」というテーマを描ききっている点です。

単なる謎解きではなく、人間模様が織り込まれている点が、素晴らしいと感じます。

一方で、少し地味というか、派手さがない点は、気になりました。

スリリングな展開などはありませんが、静かに読むことに適している作品だと思います。

是非、お試しください。

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