「俺ではない炎上」 あらすじと解説&考察(ネタバレ含みますので要注意)

ミステリー小説

『俺ではない炎上』浅倉秋成

📁ミステリー小説 【私の評価】★★★★★(95点)

あらすじ

主人公の山縣泰介が、全く身に覚えがないのに、泰介のアカウントであると思われるTwitterでなされた、殺した被害者のことのつぶやきが、どんどん拡散していくところから、物語が始まります。

そのTwitterは、10年以上前から発信されていて、泰介のゴルフバックなど本人でないと写せないような写真も沢山のっているのです。

そして、その発信は泰介の自宅から行われています。

間違いなく泰介が発信していると思われる状況です。

そこから、泰介の逃亡劇が始まります。

そして、逃亡する過程で、泰介は自分はどういう人間だったのか、恨まれる人間だったのか、家族を幸せにしてきたのだろうかなど、今までの生き方を振り返ることになります。

2つのトリックの魅力

大きく2つのトリックがあります。

まず一つ目のトリックです。

読者は、時系列に沿って、物語が進んでいると思っています。

これは当たり前ですね。

ですが、実は、山縣夏実の物語だけ、過去の出来事なのです。

そこに気づくことができる人はいないと思います。

これが、真犯人を巧妙に隠す仕掛けとして機能しています。

次に、二つ目のトリックです。

サクラという女性について、読者は、「砂倉」という女性であると思ってしまいます。

ですが、これも間違いです。

読者に間違った推理をするように作者が仕向けた罠となっています。

この二つのトリックにより、真犯人が最後までわからない仕掛けとしています。

見事だと思います。

おわりに(映画)

この作品、映画化もされています。

スリリングで、どんでん返しもあって、面白い作品です。

よく考えて作られていると思います。

泰介は阿部寛さんが演じています。

これは単なるミステリーではなく、泰介が自分の生き方が合っていたのだろうかと自問自答する、掘り下げた人間ドラマとなっていて、阿部寛さんの人間味ある素晴らしい演技と、とても合っていると思います。

小説も映画も、おススメです。

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