「ガリレオの苦悩」東野圭吾
📁ミステリー小説 【私の評価】★★★★★(92点)
「ガリレオの苦悩」は、ガリレオシリーズの第4弾です。
ガリレオシリーズを並べると以下のとおりです。
1.探偵ガリレオ(短編集)
2.予知夢(短編集)
3.容疑者Xの献身(長編)(直木賞受賞作)
4.ガリレオの苦悩(短編集)
5.聖女の救済(長編)
6.真夏の方程式(長編)
7.虚像の道化師(短編集)
8・禁断の魔術(長編)
9.沈黙のパレード(長編)
10.透明な螺旋(長編)
ガリレオシリーズの魅力は、何と言っても天才物理学者である主人公の湯川学准教授のキャラクターですね。
専門的な知識と、少し偏った人間性が魅力的です。
この「ガリレオの苦悩」も、事件やミステリーの仕掛けだけではなく、謎解き過程で湯川の人間性が滲み出ます。
一見、冷徹かのように映りますが、それは科学に対する姿勢から形作られたものであって、本当の湯川の心底には、温かいものがあるように感じます。
表題の「ガリレオの苦悩」についても、冷徹な人間であれば、そもそも苦悩などしませんので、この作品は湯川の奥底にちらりと見える、温かな人間味がよく出ている作品だと思います。
ミリテリーですが、単なる謎解きではなく、読後に心が温まる、そんな名作だと思います。
是非、お読みください。
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