『ちがいがよくわかる 神道と仏教の本』 渋谷申博
📁世の中のリアル 【私の評価】★★★★★(100点)
はじめに
「神道と仏教の違いは何?」と改めて聞かれると、ふと考えてしまいませんか?
神道は神社で、仏教は寺院。
それくらいしか私も言えませんでした。
神様も仏様も区別なく、敬い拝む対象になるところが、日本人の一つの特徴かもしれません。
ですが、やっぱり違いをわかっているかいないかでは、ものの見方が違ってきます。
この本を読んだ後、日頃、何気なく手を合わせていたことの意味を、もっと深く感じることができました。
簡単に、この本には何が書かれている、特に面白かった部分を中心にご紹介します。
神様と仏様が結婚して、離婚した!
神道と仏教の始まりはいつ?という内容や、どうやって広まっていったかなどが書かれています。
特に面白かったのは、『神仏習合』と『神仏分離』の歴史です。
日本史を学ばれた方は、この二つの言葉を耳にされたことがあるのではないでしょうか。
神様と仏様は全く違う存在です。
普通であれば、どちらが本当の存在なのかで争いが産まれてもおかしくありません。
ですが、歴史的に日本ではそのようなことは起こりませんでした。
理由は是非、本書をお読みいただければと思いますが、その代わりに起きたことが、神様と仏様が混ざっていく『神仏習合』でした。
日本の神様は、仏の化身であり、仏の姿では日本では信じてもらえないため、神の姿をとっていたというものです。
これを、『本地垂迹説』と言います。
一方で、その後、逆転の発想で、神こそが本体だとする、『反本地垂迹説』も出てきました。
さらに、明治時代になると、今度は、『神仏分離』するように、明治政府がお達しします。
神社から仏教色を排除したり、地域によっては仏教排斥運動(廃仏毀釈)が起こって、歴史的な寺院や仏像が壊されるということが起きてしまいます。
くっついたり、こっちがあるじだと主導権争いをしたり、最後にはわかれたり、面白いですね。
いろんな神様や仏様がいる
本書では、主な神様、仏様について、絵で紹介しています。
神様としては、天照大御神(アマテラスオオミカミ)、須佐之男命(スサノオノミコト)、稲荷神(イナリノカミ。稲の神様です)、八幡神(ヤハタノカミ)などが紹介されています。
仏様としては、菩薩、如来、明王などが紹介されています。
観世音菩薩、薬師如来、大日如来、不動明王、四天王などです。
菩薩と如来の違いなど知らなかったので、勉強になりました。
神道と仏教では、拝む対象が違う!
仏教で拝むのは、仏様、仏像です。
これは誰でもなじみがあります。
ですが、神様の姿を見たことはないですよね。
本書を読んで、言われてみればそうだなと思ったのですが、仏様と違って、神様はそのものを拝むのではなく、神様(神霊)が宿る剣、勾玉、鏡を拝むのです。
他にも、日本人は、山や岩や木など、いろんなところに神様が宿ると考えます。
まさに、八百万の神という精神ですね。
神話の世界へ
本書の特徴として、ページ数を割いて、神話を紹介してくれていることがあります。
神話なんて、読んだことがない人が多いのではないでしょうか。
難しかったり、設定や展開に付いていけなかったりして、放り投げてしまいそうになります。
ですが、本書はとても丁寧に、やさしく書かれていますので、なるほど、そういう物語だったのかとよくわかります。
天照大御神が、天の岩屋に引っ込んでしまい、天餅も真っ暗になってしまったというお話は、多くの方がご存じだと思うのですが、実は、その出来事の前後にも、多くの物語があったのです。
難しい神話を、わかりやすく、楽しんで読めますので、おススメです。
神社とお寺の違いについて
「神社は神のための場所、寺院は人が修行する場所」ということは知らず、目から鱗でした。
確かに、寺院では僧侶の方が修行したり説法を聞く講堂があります。
そして、本書では神社や寺院の境内の建物の配置なども、詳しく紹介しています。
寺院の軒下の鑑賞ポイントも、図解で詳しく説明してくれていますので、寺院や神社を行ってみるのが楽しみになります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
本書には、まだまだ、面白いトピックスがたくさん盛り込まれています。
例えば、神社や寺院の参拝の仕方の違い、神道と仏教での修行の違いなど、なるほど~と勉強になることばかりで、楽しく学べます。
ちょっとした脳の刺激に、そして、ちがいがわかった上での一味違った参拝に、とてもいい本だと思いますので、是非、お手元にとってみてください。





